毎年この時期になると気になるのがスマホの「学割」です。
MVNOで学割があるのは、UQモバイル(UQ学割)とワイモバイル(ワイモバ学割)の2社のみです。
各社から学割が発表されてから1ヵ月以上経っていますが、これからの時期が学割の最盛期ということで2社の学割を比較していきたいと思います。
「UQ学割」「ワイモバ学割」の比較
学割適用条件比較
学割 | UQ学割 | ワイモバ学割 |
---|---|---|
対象者(学生) | 18歳以下 新規契約・MNP・機種変更 スマホプランS/M/L | 5~18歳 新規契約・MNP スマホベーシックプランM/R |
対象者(家族) | 期間中にUQ家族割に加入 スマホプランM/L | 期間中に家族割引に加入 スマホベーシックプランM/R |
受付期間 | 2020年5月31日まで | 2020年6月1日まで |
学割適用条件は、学生の適用条件で年齢、契約種別、対象プランが異なります。
適用年齢は、ワイモバ学割の下限が5歳からとなっていますが、5歳未満にスマホを持たせるのはレアケースです。上限は共に18歳以下なので実質的な違いはないと言えます。
契約種別は、UQ学割に機種変更が入っています。ただ、家族の適用条件に「期間中にUQ家族割に加入」というのが入っているため、単純に機種変更だけでは対象とならず、言葉通りに受けると間違いとなりそうなので注意が必要です。この点を考慮すると、ワイモバ学割と実質的な違いはないと考えます。
対象プランは、UQ学割はプランS/M/Lが対象に対して、ワイモバ学割はプランSが対象外です。詳細は後で説明しますが、2年間の維持費を比較した場合、ワイモバ学割でプランSが対象外というのは大きな不利と言えないのであまり意識する必要はないと考えます。
学割適用条件は、2社で大きな違いは無いようです。
学割特典比較
学割 | UQ学割 | ワイモバ学割 |
---|---|---|
特典(学生) | 13ヵ月間 プランS 500円割引 13ヵ月間 プランM 1000円割引 6ヶ月間 プランL 1000円割引 | 13ヵ月間 プランM/R 1,000円割引 |
特典(家族) | 13ヵ月間 プランM 1000円割引 6ヶ月間 プランL 1000円割引 | 13ヵ月間 プランM/R 1,000円割引 |
適用開始時期 | (学生)課金開始月の翌月から (家族)条件を満たした月から | (学生)課金開始月から (家族)条件を満たした月から |
学割適用条件と異なり、学割特典の内容は大きく異なります。
注目する点は、ワイモバ学割でプランSが対象外、UQ学割のプランLの割引期間が6ヶ月間、ワイモバ学割で学生の適用開始時期が課金開始月から、という点です。
ワイモバ学割でプランSが対象外という点は、2年間の維持費を比較した場合、プランSとプランM→S(学割終了後プランSに変更)とすれば、2社の維持費はほとんど変わらないため、ワイモバ学割でプランSが対象外というのは大きな不利にならないと考えます。
一方、UQ学割でプランLの割引期間が6ヶ月という点は、ワイモバ学割の13ヵ月と単純に特典総額が7,000円の大きな差となります。また、ワイモバイルには新規割(6ヶ月間700円割引)もあり、さらに差が広がります。
学生の課金開始月の違いは、利用を開始するタイミングに影響してきます。2社とも初月(課金開始月)は日割です。ワイモバ学割は、初月(課金開始月または条件を満たした月)から適用されるため、月末に利用を開始すると学割が消化しきれず無駄になってしまう可能性があるため、遅くとも中旬までには開始した方がよさそうです。
一方、UQ学割は、学生と家族で状況が異なります。学生は、課金開始月の翌月からなので月末に開始した方が初月の負担が少なくて済みます。しかし、親回線が新規の場合、月末に利用を開始すると学割が消化しきれず無駄になってしまう可能性があるので注意する必要があります。
プランS/Mならどちらの学割でも良さそうですが、プランLを検討するならワイモバ学割を選んだ方が良さそうです。また、利用開始時期は、UQ学割は月末、ワイモバ学割は遅くとも中旬までに開始した方が無駄がなさそうです。
維持費比較
家族を既存の親回線、学生を新規の子回線として、2社の維持費を算出し比較してみます。
尚、ワイモバイルのスマホベーシックプランは10分かけ放題を含んでいますが、UQモバイルのスマホプランは含んでいないため、条件を揃えるため、UQモバイルは10分かけ放題(月額700円)を追加しています。不要な場合には、減額(月額700円、合計16,800円)してください。
また、2社とも1ヵ月目は日割となりますが、1ヵ月目を満額支払としています。日割すると結果が若干変わりますが、長い期間(24ヵ月間など)で考えた場合、ずれは小さくなるのでここでは考慮しません。先にも述べていますが、学割適用期間の関係で、UQモバイルは月末、ワイモバイルは中旬までに開始するのが得策です。
学生
UQモバイル
契約期間 | プランS | プランM→S | プランM | プランL |
---|---|---|---|---|
1ヵ月 | 2,680円 | 3,680円 | 4,680円 | |
2~7ヵ月 | 1,680円 | 2,180円 | 3,180円 | |
8~14ヵ月 | 1,680円 | 2,180円 | 4,180円 | |
15~24ヵ月 | 2,180円 | 3,180円 | 4,180円 | |
24ヶ月合計 | 46,320円 | 53,820円 | 63,820円 | 94,820円 |
UQモバイル、2~14ヵ月は学割&家族割(プランLは7ヵ月まで)、15ヵ月(プランLは8ヵ月)から家族割のみ適用となります。
プランM→Sは、学割が終わる15ヵ月目からプランM→Sに変更した場合です。後述のワイモバイルではお得感がありますが、プランSにも学割のあるUQモバイルではプランM→Sとするのは有効とは言い難いです。
ワイモバイル
契約期間 | プランS | プランM→S | プランM | プランR |
---|---|---|---|---|
1ヵ月 | 2,680円 | 2,680円 | 3,680円 | |
2~7ヵ月 | 1,480円 | 1,480円 | 2,480円 | |
8~13ヵ月 | 2,180円 | 2,180円 | 3,180円 | |
14~24ヵ月 | 2,180円 | 3,180円 | 4,180円 | |
24ヶ月合計 | 48,620円 | 48,620円 | 59,620円 | 83,620円 |
ワイモバイルは、プランSは、1ヵ月目は学割、2~7ヵ月目は学割&家族割&新規割、8ヵ月目以降は家族割、プランM/Rは、1ヵ月目は学割、2~7ヵ月目は学割&家族割&新規割、8~13ヵ月目は学割&家族割、14~24ヵ月目は家族割のみ適用となります。
プランM→Sは、学割が終わる14ヵ月目からプランM→Sに変更した場合です。この方法を取ると、24ヶ月合計はプランSと同額になるため、開始時はプランMを選択するというもありだと思います。
尚、ワイモバ学割は、1ヵ月目から学割&新規割が適用されます。このため、月末に開始すると割引分を全て消化しきれない可能性があり、月初~中旬くらいまでに開始した方が無難です。
プランSならほぼ変わらず、プランM以上ならワイモバイル
プランSは、若干UQモバイルが優位です。ただ、ワイモバイルはプランSとプランM→Sの合計が同額のため、UQモバイルより好条件です。どちらを選ぶかとなると、ワイモバイルは好条件ですが、途中からプラン内容が変わると使い勝手に変化が生じるため、、無難なUQモバイルの方が良さそうに思います。
プランM以上は、ワイモバイルの方が優位です。新規割(700円×6ヶ月=4,200円)のほか、プランLならUQモバイルより6ヶ月間も割引期間が長く好条件です。このため、プランM以上ならワイモバイルの方が良さそうに思います。
家族
UQモバイル
契約期間 | プランS | プランM→S | プランM | プランL |
---|---|---|---|---|
1-6ヵ月 | 2,680円 | 2,680円 | 3,680円 | |
7-13ヵ月 | 2,680円 | 2,680円 | 4,680円 | |
8~14ヵ月 | 2,680円 | 2,680円 | 4,680円 | |
15~24ヵ月 | 2,680円 | 3,680円 | 4,680円 | |
24ヶ月合計 | 64,320円 | 64,320円 | 75,320円 | 106,320円 |
ワイモバイル
契約期間 | プランS | プランM→S | プランM | プランR |
---|---|---|---|---|
1~13ヵ月 | 2,680円 | 2,680円 | 3,680円 | |
14~24ヵ月 | 2,680円 | 3,680円 | 4,680円 | |
24ヶ月合計 | 64,320円 | 64,320円 | 75,320円 | 99,320円 |
プランMは変わらず、プランLならワイモバイル
2社共に親回線の学割適用条件は、プランM以上です。
プランMは、1,000円割引と同条件となるため、差がありません。
プランLは、1,000円割引適用期間が、UQ学割が6ヶ月間、ワイモバ学割が13ヵ月と7ヵ月の差があり、合計で7,000円差が生じています。単純にワイモバ学割の方が安く優位です。
尚、2社とも学割適用には、プランM以上の契約が必要です。この為、プランSを使っている親回線はプランMへの変更が必要になりますが、プランM→SとすればプランSだったときと維持費が変わらないため心配無用です。
学割以外もチェック
ここまで学割を中心に比較してきましたが、学割以外もチェックする必要があります。
UQモバイルは、「10分かけ放題/回」を追加しないという選択があり、この場合、維持費を大きく下げられます。「完全かけ放題」「60分かけ放題/月」という選択もあります。また、オンラインストアから「SIM単体」の申し込みで3,000円(MNPなら6,000円)のキャッシュバックがあります。
ワイモバイルは、オンラインストアからの申し込みで初期費用(3,000円)が無料です。親回線も同時に契約する場合には、親回線に「新規割」が適用されます。
端末もセットで申し込む場合には、端末価格の差も考慮する必要があります。下記は、執筆時現在のiPhoneの価格(税込)です。
機種 | UQモバイル | ワイモバイル |
---|---|---|
iPhone 7 32GB | 25,344円 | 30,240円 |
iPhone 7 128GB | 35,640円 | 41,040円 |
iPhone 6 32GB | 19,800円 | 20,160円 |
iPhone 6 128GB | 31,680円 | 30,600円 |
iPhone 7ならUQモバイルの方が4,000円程度安く、iPhone 6はほぼ同額です。
まとめ
2社の学割は、プランLの割引期間と割引適用開始時期の違いが大きな違いです。
学割だけを見れば、新規割やプランLが13ヵ月割引となるワイモバイルの方が好条件です。
ただ、端末価格は全体的にUQモバイルの方が安く、端末もセットで申し込む場合には、UQモバイルの方が条件がよくなります(プランL以外)。また、10分かけ放題が不要な場合もUQモバイルです。
基本サービスは、2社ともデータ通信の品質が高く、不足や不満を感じることは少ないため、状況に応じて選択するといいと思います。
※ 価格は、記載がない限り税抜価格です。