格安SIMとSIMフリースマホを使うときに大事になってくるのが「通信方式」と「周波数帯(バンド)」の対応です。
利用予定の携帯会社の通信方式と周波数帯、それぞれに対応していないと通話やデータ通信ができな状況に陥ってしまうので格安SIMやSIMフリースマホを使う場合には注意が必要です。
携帯大手3社(NTTドコモ、au、ソフトバンク)が使用している「通信方式」と「周波数帯」についてまとめた資料を総務省公開しているのでこれ参考に簡単に解説してみようと思います。
各事業者が使用している通信方式
「通信方式」で注意しなければならないのが第3世代(3G)です。日本では第3世代にNTTドコモとソフトバンクが使うW-CDMAとauが使うCDMA2000という2つの通信方式が使われています。
auが販売したスマホでNTTドコモ系やソフトバンク系の格安SIMがうまく使えなかったり、その逆の組み合わせもダメだったりするのは、この通信方式の違いが原因の一つとしてあります。
SIMフリースマホを使うときには、そのスマホがどの通信方式に対応しているかを確認することが大切です。世界的にはW-CDMAが主流なのでNTTドコモ系かソフトバンク系の格安SIMを選べばトラブルは少ないです。
各事業者が第3.9-4世代で使用している周波数帯
各社で使われている周波数帯、重要となる周波数帯は異なります。基本的に重要となるのは広域で使われている1とプラチナバンドと呼ばれる電波が届きやすい周波数帯(800MHz、900MHz)です。
NTTドコモが使っている周波数帯は1,3,19,21,28,42、重要なのは1,3,19,21。3は東名阪地域エリア、21は地方都市で地域内に入っていれば恩恵があります。
auが使っている周波数帯は1,11,18(26),28,42、重要なのは1,18(26)。26は18を内包している周波数帯で18か26のどちらかに対応していればよいです。
ソフトバンクが使っている周波数帯は1,3,8,11,28,42、重要なのは1,3,8。3はワイモバイルの周波数帯。
各社28,42は新しい周波数帯です。まだ提供地域が少ないので対応していれば恩恵がある程度の認識でOKです。28はプラチナバンドなので対応していれば嬉しい、42は高速通信の類なので速度が出にくい格安SIMで恩恵はほぼないので気にしなくてよいと思います。
各事業者が第3世代で使用している周波数帯
NTTドコモが使っている周波数帯は1,6,19、重要なのは1,6。
auはWCDMA2000がSIMフリースマホでほとんど対応していないので割愛。
ソフトバンクが使っている周波数帯は1,8。
3Gの周波数帯は年々停波され、だいぶ数が減っています。最近ではLTEがだいぶ普及しているので3Gを意識する必要があまりないかもしれません。意識する必要があるのはLTEが入らない地域、FOMA SIMを使っている人、VoLTE非対応の端末を使う場合などに限られます。
実際のスマホで確認
Huawei P20 lite
人気のSIMフリースマホ「Huawei P20 lite」は、公式HPのスペック情報によると通信方式、対応する周波数帯は下記と記載されています。
FDD LTE: B1/3/5/7/8/18/19/26/28
TDD LTE: B41
WCDMA: B1/2/5/6/8/19
3Gの通信方式はWCDMA(W-CDMA)となっているのでNTTドコモ、ソフトバンクの通信方式に適合しているとわかります。
対応する周波数帯はNTTドコモに対して3Gが1,6,9、4Gは1,3,19,28、ソフトバンクに対しては3Gが1,8、4Gが1,3,8,28。どちらの回線に対しても3G、4G共に重要な周波数帯に対応しており安定して電波の受信できる可能性が高いと言えます。
Huawei nova Lite 2
こちらも人気機種「Huawei nova lite 2」。通信方法、対応する周波数帯は下記と記載されています。
FDD LTE: B1/3/5/7/8/19/20
WCDMA: B1/2/5/6/8/19
3Gの通信方式はWCDMA(W-CDMA)となっているのでNTTドコモ、ソフトバンクの通信方式に適合しているとわかります。
対応する周波数帯はNTTドコモに対して3Gが1,6,9、4Gは1,3,19、ソフトバンクに対しては3Gが1,8、4Gが1,3,8。3G、4G共に重要な周波数帯には対応しており安定して電波の受信ができる可能性が高いと言えます。
P20 Liteより安価な機種ということで対応周波数帯は少ないです。LTEバンド28は700MHzのプラチナバンドなので対応していたほうが安心ですが、現段階ではまだ十分に普及していないので問題ないと思います。
まとめ
SIMフリースマホを使うなら通信方式の関係でNTTドコモ系かソフトバンク系の格安SIM、携帯大手3社が販売したスマホならその回線を使った格安SIMを選べばトラブルは少ないです。
また、周波数帯はハイエンドモデルほど対応する周波数帯は多い傾向にあります。ミッドレンジモデルやエントリーモデルは対応する周波数帯が少ないものが多いので、使用する場合には念のため確認したほうがいいと思います。